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Hamnet読みました:シェイクスピアの時代を色鮮やかに描く

Hamnet by Maggie O’Farrell

 

Winner of the Women's Prize for Fiction 2020 (English Edition)

 

1596年の夏、英ストラトフォードに住む少女が突然の高熱に襲われる。彼女の双子の兄Hamnetは助けを求めて駆け回る。何故誰も家にいないのか。

二人の母Agnesは実家でハーブの世話をしていた。父親は遠くロンドンに住んでいる。両親ともにHamnetにこれから起こることを想像すらできないでいた。

 

物語の中心人物はAgnes。彼女はかのウィリアム・シェイクスピアの妻。彼女とシェイクスピアがどのように結婚に至り、Hamnetを含む3人の子どもを産み育て、家庭を築いてきたか、なぜシェイクスピアはロンドンに行くことになったのかを振り返る過去のパートと、HamnetそしてAgnesの視点から描く現在のパートが交互に展開される。

繊細かつ美しい描写に、シェイクスピアの生きた時代は本当にこういうふうだったんだろうなと感じさせる力強さがある。英語で読んでいても、文章がカラフルなのだけれど、浮かぶ情景はどこかセピア色になっているように感じる不思議。

シェイクスピアの家族については不明なことも多く、本書のエピソードも作者の想像によるところが大きいとのこと。これほどの解像度で400年

 

前の暮らしを想像・創造し、文章にできることに感服。

もちろん英語なので日本語を味わうのとは違うけれど、自分の拙い英語力でも感じるものがあった。

短くはない作品だけれども、シェイクスピアについて詳しくなって再読したら新たな発見がありそうで、英語学習の面からもモチベーションアップにつながった。